笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

最強の誘惑者

noreturnrydeen2005-04-01

可愛らしい女の子が、治療に来まして。
16歳の。
お母さんが付き添ってきてて、治療しながら、お母さんに彼女の状態を説明してました。
そのうち、打ち解けてきて(ほら、俺は見た目がアレだから、最初は警戒されるんですよ)三人で仲良く世間話なんかに興じていたわけです。
で、俺の年齢の話になって「35だよ」言ったら「え〜見えな〜い」とかは、まあ、嬉しいっちゃうれしいんですが。冷静に考えたら、16の女の子とは、20も離れてるんだつー事実にも、何とか耐えたんですが。
正直、お母さんが同い年ってのは、少しへこんだ。
そんなガラスのハートを持つ、日本一ナメたナリの整骨師、かみです、こんばんは。
 
整骨院で飼ってるピラニア連中のうち、ダイヤモンドピラニアつー、一番、気性の激しいのが、ポンコツモーターがイカれたおかげで、窒息死しまして。
当然、コロソマ*1の水槽に放り込んで、餌にしたんです。
で、ダイヤの入っていた水槽を片付けて、ぽつんと開いたスペースを前に、見詰め合う、まこと*2と俺。
「先生、やっぱ次は、蛇かイグアナを……」
「却下!却下!却下ぁ! ンなもん、ダメに決まってるだろうが。爬虫類とか両生類は、患者さんの好き嫌いが激しいから、ダメだ。100歩ゆずって、リクガメくらいだな」
「え〜そんなぁ……」
ここで俺の、生来の適当人間っぷりが発揮されます。
「あー、じゃーよ、いっそのこと毛のある動物にすんべか?」
 
瞬間。
 
「おー! いいじゃないですか! そうしましょう! ぜひ!」
 
しまった。
この男の、動物好きっぷりを、完全に失念してた。
そう、まことは千葉のムツゴロウの異名を取るほど、取ってないし、言ってるのは俺だけですが、とにかく、動物が大好き。
たとえ車で、人間を轢いても、ケラケラ笑って話のネタにするでしょうが、犬猫を轢いたら、軽く一週間はへこんでるでしょう。
そんな男に、俺は勢いで、とんでもないことを言ってしまったようです。ちょうどその時、患者さんが切れたので、二人並んでPCの前に座り、色んなペットを検索します。
豆柴25万円とか、アメリカンショートヘアがいいとか、逆にハムスターとかモルモットも可愛い、いやいや、ロップイヤーだろとか言ってるうちはよかったんですが、そんな我々の前に、ものすごい強敵が現れます。
 
フェレット
 
「ヤバイから。おい、まこと、もうやめれ」
「いや、でも、この子見てくださいよ。うっわ、やべー、すげー可愛い」
「いいから、やめろ! 俺も段々やバくなってきた」
「ほら、見て、先生」
「やーめーてー!」
 
とりあえず、ショップのお兄ちゃんに、
フェレット、どれがいいですかね? 整骨院で飼うんですが」
とか、聞くのだけは、やめようと思ってます。
 
つーか、飼わないから!
整骨院フェレットとか、マジ、ありえないから。
絶対!
間違いなく!
 
多分。

*1:「雑食のピラニア。ダイヤよりは大人しい」

*2:整骨院の若い衆」