笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

オフレポ

たった二人の軍隊、じゃなくて、たった二人のオフ会、やってきました。要はいつものごとく川奈の師匠と二人で飲んだくれてきただけなんですが。

んでね、いつもならオフレポなんてもんは書かないんですが(人の呑んできた話聞いたって、面白かないだろうから)ちと今回は書かなきゃならないかなぁって。ネタだらけだったから。


ウチから柏駅まではタクシーだと3000円かかるんで、ガッコ行くまことに「のっけてけ」と指令を出し、柏駅まで送ってもらったんですよ。当然、ガッコの時間に合わせるわけで、俺が柏に着いたのは、約束のはるか二時間近く前。

さて、漫画喫茶にでも行こうかなぁなんて思いながら柏駅周辺をウロウロしてたんです。

と、右半身にタトゥの入りまくった白人が、俺に向かって近づいてきます。なんだ? クスリでも売ろうってのか? なんて構えてますと、てめえの足元を指差しながら、
「スニーカ、売ってるところ」
言いやがりました。なるほど、スニーカを買いたいわけだな?
どうせ暇なんで、連れてってやることにします。

マルイへ入りますってえと、よく眺めにいくシルバー屋さんのお兄ちゃんに「彼がはいてるみたいなスニーカ、どこで売ってます?」
聞きますとお兄ちゃん、ニコニコ笑って「6階です」。俺はやつを連れてエスカレータで6階に上がります。

途中でヤツが俺の袖を引きながら「ヘイ、ガール、ガール」と女の子を指差します。うむ。確かにかわいい子だが、お前はスニーカを買いに来たんじゃないのか?

ま、どう見ても高校生くらいだったんで「トゥ、ヤング。ヤンガーだ、バカ」つって笑うと、兄ちゃん残念そうに肩をすくめました。助平な毛唐だ。

ドイツから来たらしくドイツのことを知ってるか? なんて聞くんで、「アウトバーン、ソーセージ、ビール」つったら笑ってました。

マルイは、なにやら店の並びを新しくしたようで、従業員もいまいち把握できないらしく、上に下にアッチコッチ行かされて、そのうち俺のほうが切れ始める始末。

なんとかスニーカ屋を見つけると「ここだってよ、じゃあな」
兄ちゃんが右手を差し出すんで、握手しますってえと、そのまま引き寄せられ、ほっぺにちゅう。やめんか、俺はそっちの気はねえ。


ほうほうの体で逃げ出して、駅前のストリートライヴを見てたら時間になりました。緑の窓口へ向かいますと、師匠と合流します。

タクシーに乗って、前に行った事のある師匠行きつけのお店へ。いつものアットホームな感じは、入店数秒でこちらをリラックスさせてくれます。

師匠のお友達も居て、さて宴の始まりです。

ビール、ウイスキー、ワイン、やたらめったら飲んだくれ、相当に出来上がったところで、次の店へ。
「かみさん、私の知ってる面白い店に行きましょう」

もちろん断るわけはありません。

エレベータをおり、さていざ突入しますってえと……あれ?
どうも話に聞いていた雰囲気と全然違う。

なんか、怖そうなおっさんが外人の女の子をはべらせ、ほかにはおっさんがもう一人と、店のママらしいおばさんが一人。
「あれ?」
師匠も凍ってます。
店を間違えたか、つぶれてしまっていたんでしょう。

立ちすくむ俺ら二人に、ママさん、鋭い視線を浴びせながら
「どうするの? 呑むの? 帰るの?」
そりゃ、帰りますよと思っている俺の隣にいた人が、スタスタと店の中に入りながら

「呑みますよ」

さすが師匠、冒険者っぷりは健在ですな。つーかこれ、絶対あとでネタにするつもりなんだろうなぁ。師匠と差し向かいで座りますと、師匠、にっこりと笑って。
オフレポ、任せましたよ」

ははあ、俺のためのネタでしたか……いりません。

場末のスナック感バリバリの店内には、演歌が響きます。と、師匠、おもむろにマイクを取って歌いだしました。もちろん演歌。続いて俺に向かってマイクを差し出します。

俺の後ろには、なんか不機嫌そうに飲んだくれてる怖そうなおっさん。かみ、ここに進退窮まりました。

しかし、ここで逃げ出しては「川奈の弟子」の名折れです。マイクを引っつかむと、ヤケクソで曲を指定。

店には俺の美声が響き渡ります。曲名は
釜山港へかえれ」
むしろ帰りたかったのは俺ですが。



そして問題のときは訪れます。

その店をあとにした俺たちは、意気揚々と夜の柏へ繰り出しました。もはや我々を阻むものはどこにも居ない。

居ました。

なんかね、ここから記憶があいまいと言うか、アドレナリンのせいで覚えてないのか、とにかく詳細は覚えてません。俺が考えてたのは、師匠に累が及ばないように、それだけでした。

あと、自分が心の底から警察嫌いなことも、よ〜くわかりました。ええ、つまりそう言うわけで、警察沙汰ですよ。

ま、俺だけなら割といつものことなんですが、今回は師匠が居ましたから、余計なメイワクをかけるわけにはいかないぞ、と思ったことだけは覚えてます。巻き込まれた段階で、ものすげ大迷惑なんですが。

とにかく、喧嘩そのものより、そのあとやってきた警察から逃れるほうが大変でしたね。血だらけで大騒ぎしながら、制止する警察を振り切って、なんとか逃げて帰ります。

翌日の今日の昼間、恐る恐る師匠に電話をしまして、出るなり平謝りしたわけですが、師匠、ひとこと
「大丈夫、全然気にしてませんよ。それより、身体、大丈夫?」

男ですな。むしろ「漢」。

さすが師匠、俺ごときの起こすトラブルなんて、屁でもないと言った具合で、むしろ俺の身体を心配してくれてました。ハラの据わりっぷりが、口先だけのやつらとは大違いです。


え?


俺?


ああ、そりゃ無傷ってわけには行きませんでしたよ。かなり大勢に囲まれましたからね。




前歯、一本なくなっちゃった。