前に牛半頭分のレザーを買った話をしましたが、またも懲りずにレザーを買いました。もちろんサイド(半頭分)。これで前回のとあわせてホールハイド(丸革)です。
ええ、もちろんそうです。サイドとかホールハイドとかの言葉を覚えたから、使ってみたかっただけです。他意はありません。
そゆわけで、現在、ジャングル@マイルームには牛一頭ぶんの革が、ずたずたに引き裂かれて転がってるわけです。どこの部族だ。
元々足の踏み場なんて気の利いたものはなかったんですが、これでさらに地層が積み重なりまして、もはや手に負えない状態です。今までの小説やマンガや雑誌など書籍で構成された地層と違って、今度の地層は構成物が革の切りくずですからね。
まさにアンタッチャブル。
掃除とか考えただけで軽く家出したくなりますよ。もしくは放火。
ベッドの上でレザーを切ったり、接着したり、穴開けたりします。作業をする場所が、そこ以外ないのだから当然ですね。で、これも当然なんですが、ベッドの上の布団も一緒に切り裂かれ、穴を穿たれ、接着剤をこぼされるわけです。
もはや、人の眠る場所じゃありません。かといって獣も眠れないでしょう。完全に俺だけの憩いの場所。
そんなステキなパーフェクト・プライベートスペースで、レザーを切り刻んでタンクトップを作りました。ベストじゃありません。タンクトップです。サドルレザー(馬の鞍を作るレザー)で、しかも、厚さ3ミリ。
前回買ったレザーが極厚5・5ミリだったので3ミリだとずいぶん薄く感じるんですが、それは完全に大間違い。ふつう3ミリのレザーだと財布だとかレザーベストを作るときに使う極厚です。少なくとも服を作るとかの厚さではない。
ベストならガバっと引っ掛けるように作るから問題ないんですが(実際に俺も一着作りました)、タンクトップ、つまり身体に直接、密着するように作る製品には、明らかに向いてませんね。買う前に気づけって話ですが。
何度もカットし、作り直して、ようやく身体に密着するタンクトップが出来ました。完璧です。さすがにオーダーメード。俺の体にパーフェクトフィットですよ。
まっすぐ立ってればな。
もね、これはタンクトップとかベストとか以前の話ですね。そういえばこういうの、整形外科に勤めてたころよく使いましたよ。普通この手の製品は「コルセット」と呼ばれるんですがね。
水とかミンクオイルとかを使って、これから徐々にやわらかくしていかなくてはなりません。もちろん、一番大事なのは毎日着こんでヤレさせるってことです。サドルレザーやヌメ革は使い込んでこそ、味が出るんです。
コルセット状態だろうが、がんばって使い込みますよ。
え〜そうですね。
サドルレザーの財布で、いい具合にヤレてくるのがだいたい……
一年後かな。
かるく貧血。