笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

幼いリスペクタ

俺が、世のロリコン至上主義に反して、どっちかっていうと年上好みなのは、いまや周知の事実ですが、意に反してと言うべきか、だからこそなのかと言うべきか、ここのところ、やけに年下にモテるんです。
 
水曜の午後とかによく現れれる、例の3〜4年生女子児童集団とか、整骨院の前を通るときに、俺が気づくまでひたすら手を振り続ける、中学生女子集団とか、もともと無駄に娘っ子に気に入られる特性があるんですね。
 
ロリーな諸兄にはともかく、俺には心底、無駄な特性なんですが、ソレはさておき。
 
今日もまた、幼い心をとりこにしてしまったようです。
 
今日は天気がよかったでしょ?(千葉県北西部) 
当然、昼休みに自宅に帰ったわけです。もちろん、洗濯物を取り込むために。ほら、千葉県でいちばんいい旦那だから、俺。
 
んで、俺は普段、単車を家の前に停めてるんですが、帰ってくるということは、いつも停めてる方向と逆から来るわけで、自宅の前でステップをすりながら、盛大にUターンするんですね。
 
夜ならきっと、ステップから飛び散る火花が見えるでしょう(本当)
 
で、MP3プレイヤでラウドネスのクレイジーナイトなんかを聞きながら、派手にUターン決めたわけですよ。そしたら、Uターンしてる途中で、近くにおばあちゃん、お母さん、子供、の三人がいることに気づいたんですね。
 
つってもまさか車じゃあるまいし、単車のUターン、それもステップをするような派手目なヤツをかましてて、止まれるわけないでしょ? 結局、彼らの結構目の前で、ガッツリUターン決めたわけです。
 
言っても、俺も今月の末には35歳ですからね。こんなもんを一般人がカッコいいと思ってくれるとは、かけらも思ってません。間違いなく、眉根を寄せられること請け合いで、まずいなぁ、余計なことしちゃったなぁ。なんて思いながら、ヘルメットを取って、そそくさと自宅に入ろうとしたんです。
 
と、その小さな子供が、俺に向かってなにやら言ってるんです。あわててプレイヤを止めると、その小さな口を一杯にあけて、一生懸命大きな声で「こんにちは!」って言ってるんですよ。おばあちゃんとお母さんは、苦笑しながらも、俺に向かって会釈をしてくれます。
 
もね、それがなんだか、やけにうれしくて。
 
「はじめに」の単車系エッセイでも書いているように、俺は単車に乗ることを、乗らない人に認めてもらおうとは、かけらも思ってません。誰かに、乗れ乗れと勧めることもしません。ただ、俺の生き方に、口を挟んでくれるな、と、それだけを思ってます。
 
キチ○イみたいにぶっ飛ばすこと、速度差50キロ以上で幹線道路や高速道路をすり抜けること。それらを、正しいとも、特権だとも思ってません。事故や、その果てにある死を見据えて、すべてを失うことも覚悟の中に含めて、それでも単車が好きだから、俺はただ、乗るんです。
 
だけど、やっぱり、小さな子供が俺の単車が通るときに、耳をふさいだりするのを見ると、ひねて「関係ねー」とは、言えないんですね。正直、馬鹿だなと思うし、だからこそ、住宅街を通るときは、できるだけ回転をあげないで、音を控えて通るんです。
 
いや、それが免罪符になるとか、そういうことではないですよ? ただ、俺がそうするべきだと思い、そうしたいから、そうするだけなんです。受け入れられないことは、こちとらハナから覚悟済み。
 
ただ、だからって開き直って、「関係ねー」とは言いたくない。自分の好きなことだから、腹もくくるし、覚悟もするけど、それで免罪されたわけじゃないし、「背徳であるという自覚」を忘れないって気持ちだけは、常に持っていたいんですね。
 
もちろん、それはただの自己満足でしかないのだけれども。
 
だから、こんな小さな、普通ならうるさいー!って叫んでもおかしくないような子供が、正直、大人でも普通の人ならちょっと近寄りたくないだろう、俺みたいな男に、笑顔で精一杯挨拶をしてくれたのが、すごくうれしかったんです。
 
「こんにちは! ごめんね。音楽聴いてたから、きこえなかったよ」
 
保護者二人に会釈しながら、俺も満面の笑みでそう応えます。子供だからって作った笑顔じゃなく、本当に、ありがとうって気持ちが、いっぱい詰まった笑顔で。その子はにっこりとうなずくと、バイバイと手を振りました。
 
俺も手を振り返し、スキップでもしそうな上機嫌で、家の鍵を開けていると、その子が小さな声で、お母さんに言うのが聞こえてきます。もちろん、俺様の耳、パラボラモードに切り替え。
 
 
「バイク」
「そう、バイクだね」
「カッコイイ」
「そう、カッコイイね」
 
感極まる、というのは、こういうのを言うんでしょう。
 
俺はもう一度振り返って、親子に最高の(俺基準)微笑を返し、家の中に入ってゆきました。それから、プレイヤのヴォリュームをあげて、ハードロックをガンガンにかけながら、キラキラまぶしい太陽の下、洗濯物を取り込んだわけです。
 
ほんと、うれしいプレゼントでした。
 
 
その子、男の子だったけど。
 
 
ま、関係ないですけどね。俺、ロリコンじゃないし。年上好きだし。
 
 
 

うん、お母さんには、正直、ちょっとグラってきた。