笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

結局、愚痴なんですが

今日、患者さんで『論客』がいらっしゃいまして。
ちなみに俺が患者さんを『論客』と呼ぶ場合、いい意味じゃねーんですが、それはさておき。
 
本人いわく「椎間板ヘルニアを二ヶ所患っていて、どこに行ってもよくならない」だそうです。ま、ココをまめに読んでる人ならピンと来るでしょうが、俺的には、まさにいらっしゃいませですよ。
とにかくイロイロと学んできてる姿勢は評価したいんですが、おそらくネット(一般論的な)とか口コミレベルの話で「何年前の話だ」ってことを、さも最新の情報のごとく語るわけです。
ちっと心か向学心のある治療家なら、いまどき「ヘルニアで痛い」なんて話、苦笑するしかないわけで。
確かに、「椎間板(の髄核)が飛び出て神経にさわり、激痛が走る」てのはメカニズム的にわかりやすいかもしれませんが、自分の足で歩いてくる段階で、それはありえないわけです。つーか、「神経にさわるから痛い」っての自体が、最近は否定されてるわけですが。
 
ま、こんな人は多いので、なるべくわかりやすく、現在の本人の腰痛のメカニズムを説明します。だけど、こういう人は俺が若い(若くもないけど)ってだけで、全否定なんですよ。「いいからココ揉め」みたいな。
それはまあ、慣れてるし、結果出せば黙らせられるわけですが、この人の言ったところをどう治療したって、結果は出せません。だって、悪いのはそこじゃねーから。
つわけで、「治らなかったら文句言え」つーいつもの姿勢で、必要なところを治療したわけです。
この仕事20年やってますが、ホント結構居るんですよね。
「自分のは特別」って思いたがる人。
自分のわずらっている病理を理解したいというなら、俺は協力したいですが、有名でわかりやすい病名をつけて欲しいだけなら、他に行って欲しいってのが本音です。
とりあえず、「二ヶ所わずらって、20年痛みが引かない」つー、本人いわく「ヘルニア」の痛みは、15分で半減させましたが、カルトの狂信者みたいな顔で「先生は名医だ」言われても、心底嬉しくねーです。
 
俺は自分が治すなんて傲慢なことは、これっぱかしも思ってません。
治すのは本人自身の力なんですよ。
人間の回復力をなめちゃいけないです。俺がやってるのは、せいぜいその手伝い。どうせ調べるなら、知識をひけらかしたり、へんな自己顕示欲のためじゃなくて、本気で治すために学びましょうよ。
そのためなら俺は、いくらでも力になるから。
せめてココを読んでくれた、腰痛もちの人だけでも、真性のヘルニアなんていくらも居ないこと、そして、真性の人でさえ、その痛みはヘルニアから来てるものではない場合がほとんどだということを、心の隅にでもとどめておいて欲しいです。
 
誰でもない、あなた自身のために。