笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

シュート・フィンガー

普段、バカ話ばかりしてるように書いてますが。
コレで生計を立ててる以上、俺とまこと*1だってまじめな話はします。特に難しい症例の患者さんが来たあとなんかは、ド真剣モードでディスカッションしたり。
んで、そこまでド真剣ではないんですが、まこと本人の人差し指の動きが悪いなんて話になりまして。ヤツの質問に俺が答える形で、まじめに原因を探ります。
 
「先生、二指*2に違和感と軽い遅延があるんですよ」
「示指*3って、昔つぶしたんだっけ?」
「えぇ、やっぱりそれですかね?」
「や、そんな安易な結論じゃダメだろ。昔やった怪我イコールすべて後遺症なんてのは、やる気のない整形外科の言い草だ。俺と仕事するなら、そんなゆるい答えは許さん。ちと診せてみ」
「はい。いえ、疼痛はありません。可動域制限ってほどでもなく、脳の命令がワンテンポ遅れるつーか、動きが渋いつーか、そんな感じです」
「なるほど。それで遅延か。う〜ん」
「痺れ感まで行かないけど、触覚にも少し違和感があります」
「だいたい、昔なにやってようが、いちど回復して普通に使えてたんなら、新しい原因があるはずだ。最近やったことに思い当たるふしがないなら……ああ、そうか」
「わかります?」
上腕二頭筋の長頭は? 肩んトコ触知してみ」
「なくはないけど、そこまで顕著ではないですね」
「んじゃ、MP関節とPIP、DIPを分けて動かしてみ」
「はい。あ、IP系の方が渋い」
「んじゃ、そっちの伸筋で決まりだ。自分で取れるな?」
「はい」
 
てな感じで、原因の究明が済みまして。
そっちの問題は片付いたんですが。
 
「あーよかった。右の二指なんてすげぇ大事なところですからね」
「だな。仕事しづらくなるもんな。大事件だ」
「あ、そう言えばそっちもそうか」
「んだよ、それ以外に何が大事なんだよ」
「なに言ってるんですか。
 
 
 
 
引き金が引けなくなっちゃうじゃないですか」
 
 
それは、引いた方が大事件だむしろ。

*1:整骨院の若い衆

*2:にし:人差し指

*3:じし:同じく人差し指