「なぁ、まこと*1。朝、コンビニに寄ったときから回ってるんだけどさ、キョンキョンのせっつない片思いっ♪って曲、知ってる」
「知ってますよ。キョンキョンファンでしたもん」
「あの曲、なんて題名だっけ？」
「…………」
「どうした、キョンキョンファン」
「え〜と、漢字2文字だった気がする」
「そーだっけ？ そういえばそんな気もするなぁ……あ、今俺のアタマの中をよぎった題名があるんだけど、これ、確実に違うだろうなぁ……『冬将軍』とかじゃねーよな？」
「ホント、自分のボスにこういうこと言うの、正直アレだなぁとは思うんですけど、一回、病院行ってきたほうがいいですよ、先生。『冬将軍』とか、キョンキョン、ぜってー歌わないから」
「だから、違うだろうなぁつったじゃん。いいから早く答えろキョンファン」
「いつの間にか、韓流俳優みたくなってきた。全国のキョンキョンファンに怒られますよ？ 確か、『秋桜』みたいな感じだと思うんだけどなぁ」
「コスモスぅ？ 山口さんちの百恵さんだろそれ。つーか、段々思い出してきた。アレ、作ったの高見沢だよな、確か。『恋人たちのペイヴメント』とか『風曜日君を連れて』とかあんな感じの長い題名じゃね？」
「えぇ？ そうでした？ 漢字2文字だと思うんだけどなぁ」
「え〜と、『雨上がりの夜空に』じゃねーし……」
「あ、わかりましたっ！」
「お、マジで？ なんだ？」
「枯葉」
キョンキョンと高見沢とイブ・モンタンに謝れ。
