笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

男前歯医者

てなわけで歯医者に行ってきたんですが。
その前に常々、俺は歯医者に対して思っていたことがありまして。いや、よく言われる、何回も行かなきゃならないとかそういうことじゃなく、むしろ逆。
どうも近頃は、よく言えば優しい、俺的には軟弱な歯医者が多くなった気がするんです。もちろん、歯医者って痛くて怖いイメージが付きまとうから、それを払拭しようと努力するのは当然だと思います。
でもね、みんながみんなとにかく痛くなく、優しくやってくれって思うわけじゃないないんですよ。や、俺がドMだからとか余計なことは言わんでよろしい。特にKIRINさん。
 
そうじゃなくて、はっきりとした歯医者さんがいいんです。
『痛くても早い方がいい? 痛くないと、代わりに時間かかるよ?』とか『コレとコレがこうなってるから、コレはやっちゃダメ』みたいに、わかるまで説明してくれる。とにかく、結果優先。早く、安く、納得行くまで投げない。
自画自賛は承知であえて言わせてもらえば、要はウチの整骨院みたいなスタンスの歯医者ってないのかなぁって、よく、まこと*1に言ってたんですね。
したらこないだ、まことが鬼の首取ったような顔で言うんです。
「先生、派手なトコ見つけました」
相変わらずウチの若い衆は日本語の使い方が斬新ですが、それはともかく、派手なトコって言葉の響きは、とてもステキ。『んじゃ、そこ行ってみんべ』ってことで、予約を入れてたわけです。
 
さて本題。
行ってみると、見た目はちょっと古めの小さな歯医者さん。
入っていって受付を済まし、ハンター×ハンターとか読んでたら、すぐ呼ばれます。入って座ると問診が始まり、ひととおり主訴を聞いてもらったところで、レントゲン。ま、普通に治療が進行してゆくのですが。
レントゲン見ながら、いきなりオトコマエっぷりが発揮されました。
 
「かみさん、抜きましょう
「は?」
「大穴開いてるから、抜きます」
「はい」
「ココとココはまぁ、たいしたことないので、とりあえず抜きません」
「抜かないんですか?」
「コレ抜いたら、一週間は仕事できないですよ、痛くて。はははっ」
「痛いんですか? 抜いちゃって、明日、単車に乗れます?」
「……う〜ん、まぁ、コッチは大丈夫じゃないかな」
「他のヤツも抜いた方がいいんですか?」
今はまだいいでしょう」
 
進行したら抜かれるんだね、先生?
俺、一生懸命歯ぁみがくよ、先生。
てなわけで、とりあえず一番ひどい一本だけさっさと抜いちまおうという話になりまして。
ここまでわずかに30秒かな。麻酔を打って、それが効くまでの間に、歯科助手の女の人が俺の歯を掃除つーか磨いてくれるんですが、この人もまたオトコマエ。女だけど。
もね、言うなれば俺が単車のパーツを自作してる時くらいのイキオイで、ガツンガツン関係ないところ(口の中の健康なトコってこと)に器具をぶつけるんだけど、その代わりとにかく速い。
早いじゃなくて速い。
キーンキーン!
きゅるるっるるっ!
シュゴー!
色んなリュータで、さくさく素早く(大雑把とも言う)作業を進め、先生が来るまでに、あらかた磨かれちまいました。いや、こんな書き方してるけど、俺としてはこういう方がもたもた丁寧にやられるより好感が持てるんで、この段階でこの歯医者がかなり好きになってたんです。
そこへ持ってきて、はい来ました、オトコマエの院長。
 
「そろそろ麻酔効きました? じゃあ、抜きますね」
 
うなずいたときには、すでに異星人解剖フィルム状態。
ごりん。
ごうりごうり。
 
「あれ、ひっかかってるな……あ、取れた。はい、かみさん終わりです」
 
全部で、ものの数十秒。
なんだかあっという間に治療が終わって、サクサク帰ってきました。
今のところまだ麻酔が効いてるので、痛みの方がどうなるかはわかりませんが、とりあえず、かなり好きなスタンスの歯医者さんだったので、真面目に言うこと聞こうと思います。
 
もう、呑んでるけど。

*1:整骨院の若い衆