一ヶ月前に鎖骨と肋骨を折ったわけですが。
こないだ行きつけのバーに顔を出したときに、マスターがびっくりしてたんですよ。怪我したように見えないって。同じ場所を怪我したことある人は、『治るのに二三ヶ月かかるはず』って驚くんです。
が、実際はそれほど驚くことじゃないんですね。
元々、人様よりケガの治りが早いんですが、それよりも大きいのが、知識なんです。俺はこの道で食ってるので、他の人よりも正確で最新に近い情報が入ってきますし、それを脳内にとどめることも慣れてます。
すると。
骨のつく期間とか、痛みの由来が骨折かどうかってのが、かなり正確に把握できてるんです。だから痛いから治ってない、治ってないから動かさない、と言う生き物として当たり前の判断に疑問を抱けるんですね。
「骨はついてるはずだから、これはずっと動かしてないための痛みだ」
と、確信して動かすことが出来る＝早く治るって図式なんです。
以上の理由で、来週末にはバイクでケモノ道を走ってくるなんてことも出来るわけでして、決して俺が治療家として優れてるわけでも、俺だけ特別な肉体構造を持ってるわけでもないんですよ。
だから、俺が入院してる間に骨折しちゃって、
「私は整形で二三ヶ月かかるって言われたのに、先生はもう治ってる」
と、不満げに言われても困るんです。
「ホントはなんか方法があるんじゃないの？」
って疑惑の目で見られても、本当に三週間じゃ治せないです。
強いて言えばアレですよ。
痛いと思わない。
これ、最強。
