笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

バロメータ・ペンケース

時流に流されて、踊る。
後で考えると汗顔、赤面なんだけど、そのときは大真面目で踊っている。誰でも一度くらいは、あるでしょう。


人によって、その後は二度と踊らない人とか、逆に今でも踊らされちゃう人とか、色々ですね。前者は後者を「流行に踊らされる腰の軽い人間」と言い、後者は前者を「面白みのない、空気の読めない人間」なんて評するわけです。


ま、なんにせよ俺サマの前では平等。どっちも愚民どもなワケですが。


何が言いたいのかってぇと、要は整骨院で「昔、流行ったヘンなもの」の話になりまして。完全、踊らされてたよね? ってまるでヒトゴトのように、昔の自分の愚行を話す、アレですよ。You copy?


そのうち、話の焦点は「ふでばこ」になります。まこと(整骨院の若い衆)は学生さんなんで、結構身近なアイテムなんですな。


「俺が小学校のころ、ボタンがいっぱい付いてて、押すと定規とか分度器が飛び出すヤツが流行ってましたよ。今持ってれば逆にヒーローだなぁ。絶対」
「そんなヒーローにはならなくて良いから、普通に国家試験をがんばってくれ。つーか、俺のころはアレだな。様子がおかしいくらい扉のついたヤツが流行ったな。最初は二面とか三面だったのに、最後は12面くらいまで増えたんじゃなかったっけ?」
「あぁ、ありましたねぇ。仕切りが多すぎて、むちゃくちゃ使いづらいんですよね。最近は、ロボットとか飛行機になるのもありますよ。このあいだホームセンターで売ってました」
「完全に勉強道具ではないな。俺も持ってたけど、確か6面くらいだったよ。その後、6面のを二つつないだ12面ってのが出たんだよな? アレがおそらく最終型だろう」
「そうなんですかね? でも、あのふでばこってある意味バロメータでしたよね」
「どういうことだ?」
「バカのバロメータ。扉が多いやつほど、バカ」
「ひどいこと言うな。んじゃ、12面を欲しがってたけど買えなかった俺は、バカで貧乏ってことか?」
「大丈夫ですよ。俺はついていきますから」


否定しろ。