歯医者でやさしい女の子に、ものすげ遠まわしにたくさんの修飾語を使って言われた言葉を要約すると、
「てめ、タバコばっか吸ってんじゃねえよ。あと、デンタルフロスとかも使えよ。ちゃんとマメにやらねえから、歯石取るときに痛ぇんだよ」
でした。
歯の間に糸を通すとか、なんでそんなびっくり人間コンテストみたいなことをしなきゃならないんだよと思ったんですが、まあ、言われたのでイロイロと買い込んで来まして。
デンタルフロスと歯間ブラシ。プラス今までの歯ブラシと、嫁が使ってる歯垢検査薬、それに無敵のリステリン。まさに完璧な最強ラインナップ。巨人のクリンナップも任せられます。
まずは歯ブラシだけで磨き、歯磨き粉（もちろんザクト）で磨いた後、ついに歯間ブラシの出番です。恐る恐る歯の隙間のところに押し込もうと……押し込もうと……
無理。
いや、物理的に入らないだろう、これ。
嫁さんに聞いてみると、俺のように歯茎が腫れている場合は、歯間ブラシは早すぎるとのこと。初心者の癖にいきなりフラッシュを使ったサイトを作ろうとするようなものか。
仕方なく、デンタルフロスのほうでしこしこと歯の間を磨きます。血が出やすいのは、歯周病の一歩手前だからですよ？ と言う歯医者のお姉ちゃんの言葉を胸に、そりゃもう、せっせと磨きました。
いつもの数倍の時間をかけて歯を磨き終わり、むしろぜいぜい言いそうなくらいの疲労困憊っぷりで自分の部屋に戻りまして。そこでついに理解しました。
これはアレですよ。磨き方とか、使う道具の問題じゃなくて、このしちメンドくさいプロセスが大事なんですよ。ここまで苦労すれば、誰だって思いますから。
もう、何も喰うものか。この歯、汚してなるものか！ てね。
まあ、でもすでに、タバコくわえてたりするんですが。
ラッキーストライク万歳。
