久しぶりに、ピザを頼んだんです。
イタリアのファミリーとかじゃなくて、普通にピザーラで。
でね、俺はピザ本体よりもサイドメニューが好きなんですよ。
むしろ首っ丈。
特に、ローストチキンとか、ポップコーンシュリンプとか大好きなんです。
今回ももちろん、色々頼みまして。
そんでやってきた中にあったのが、写真のブツです。
これね、もってきて、箱だけ開けた状態なんですよ？
見た瞬間、俺もまこと*1も大騒ぎ。
「まこと、これよ、確実に喰ってるよな？」
「あー、偏ったとか、こぼれたとかってレベルじゃないですね」
「だよな？ 半分も入ってないもんな？ これはアレか？ うちの整骨院に対する、挑戦状と解釈していいのか？」
「あの配達のお兄ちゃん、ハラ減ってたんじゃないですか？」
「や、そんなんでいいのか？」
「ピザとか、他のメニューもヒトクチかじってあったら、面白いですね？」
「う〜む、そんなツワモノなら、むしろ逆に文句はないな。どれどれ……む、さすがに他は無事だ」
「残念」
「や、残念がる意味がわからん」
「だって話としては、全部喰ってあった方が、断然面白いじゃないですか？ ピザとか、ひとかけらだけ食って、隙間を空けてごまかしてあったりとかしたら、俺、あの配達のお兄ちゃん、うちの整骨院にスカウトしますよ、マジ」
とまあ、バカ話をしながら、ピザーラに電話したんです、まことが。
「今もって来たチキングラタンが、ひどいことになってるんですよ。写メ撮ったんで、送りましょうか？……いや、別に持ってこいとかじゃなくて、こういうことがあるんじゃ、もう、オタクからはピザ取らないですよって話です」
電話を切って、そうは言っても、代わり持って来るだろうし、持ってくるのがあのお兄ちゃんだったら、喰ったかどうか聞こうぜ？ って話になって、来るのを待ってたんですよ。昼過ぎまで、バカみたいに。
や、ピザーラ、来やしねえ。
まことは切れてピザーラの広告をゴミ箱に放り込みます。
「しっかし、ひどいな。普通、ああ言ったって持ってくるよな？」
「そースよね？ 俺が店長なら、絶対持って行かせますよ」
「まあ、お前が店長になった段階で、間違いなくつぶれるだろうがな」
「何言ってンすか？ も、俺が店長やったら、その日の内にトップ取りますよ、マジ」
「その、無駄な自信の根拠が知りたい」
「あーあ、何で来ないんだよー！ あのお兄ちゃん絶対スカウトしようと思ってたのに」
本気だったのか？
