笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

ダーク午前

ちょっと本職*1寄りの建築屋の患者さんが居るんですよ。
朝イチで、その人がやってきまして。
「先生、連休、ずいぶん長かったねぇ。どっか、海外でも行って来たのかい?」
「いや、引きこもってましたよ」
「そうかい。ウチの若い衆らは、ソウルに連れて行くって言ったら、連休返上で一生懸命働いてるよ、がはははは」
「韓国かぁ……マグナムが撃てるって聞いたから、一回行ってみたいんだよなぁ」
そこで、すかさず入ってくる、まこと*228歳。
「いいっすね。俺も連れてってくださいよ」
「つーかさ、銃を撃つだけなら、狩猟の免許取ればいいじゃん。そういや、マルのバカが猟銃の免許取るとか言ってたぞ?」
「マジで? うぉー! 悔しい! ムカつく! 完全負けた」
「うん、負けたとかの意味が、まるっきしわからん」
「やー、発想で負けですよ。俺も銃撃ちてぇなぁ」
「だめだ。おめーは確実にヒトねらうから」
「そーすね。動物は、撃てそうもない」
「言い切るな!」
 
そこで、件(くだん)の患者さん、ニヤつきながら。
「若先生よぉ、あのな、ヒト撃つんならベトナムだぞ?」
「マジっすか?」
瞬時に、まことの瞳が熱気を帯びます。俺のほうを見ながら、ものすげ真剣な目をするまこと。仕事もそのくらい真剣にやって欲しいものです。
「先生! ベトナム行きましょうよ、ベトナム
ベトナムフォーを喰いに行くだけなら、いいが」
「いやぁ、表向きの理由は、それでもいいですよ」
「なんだ、表向きってのは」
「あ、でもダメかなぁ……俺、税関で『入国の目的は?』聞かれたら、言うの、我慢できないかもしれない」
「なんて?」
「『ちょっと、人を撃ちに』って」
「うん、天地がひっくり返っても、連れてかないから」
 
とりあえず、午前中の整骨院で話すには、キナ臭すぎです。
や、午後でもダメだけど。

*1:その筋の方々

*2:整骨院の若い衆