笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

鉄道哀歌

朝、久しぶりに、電車に乗ったんです。
とにかく遅刻しちゃならねえってんで、かなーり急ぎ気味に電車に駆け込みます。高校生のおねーちゃんたちの間に、どっかりと座って、コンビニで買い込んできたマガジンを開き、さて、読もうか。
と。
キャバクラの呼び込みみたいなプラカードを持ったおっさんが、俺のほうにやってきます。なんだこいつ?思うまもなく。
「あの……ここは、女性専用なんですが」
ジーザスクライスト!
もね、一瞬、息が止まりましたね。
あわてて車両を飛び出しますと、窓越しに、くすくす笑ってる女の子の群れ。さすがに、そのまま隣の車両に乗り込むガッツは持ち合わせてない、へたれのかみ君。
一両飛ばした次の車両に、こそこそと乗り込みました。
あー恥ずかしかった。
 
なんて話を、整骨院でしてたんです。
まこと*1&とダチのZRZと。
「なんだー、いっそのこと、女のフリしちゃえばよかったのに」
「駅員も、あんまり堂々と入ってきたから、もしかしたら男っぽい女かもしれないって、躊躇したんでしょうね」
「そーいや、先生。中性っぽいつーか、女に見えないこともないですよね。昨日の服もまた微妙っちゃ微妙なピッタリ感だし」
なんて、好き勝手なことを言いやがります、こいつら。
 
そのうち、話は様子のおかしいほうに流れていきまして。
性同一性障害って言えばよかったのに」
「や、そんな余裕ねーって。気づいた瞬間、『やっべー! 恥ずかしー!』で、頭の中いっぱいだもん。いや、最初からそのつもりの確信犯じゃなきゃ、そんな気の聞いたせりふ言う余裕はねーよ、マジで」
「つーか、性同一性障害って、先に身体を女にしなくちゃいけないんじゃないすか?」
「そーなのか? そんなこともねーだろ?」
「や、そーですよきっと。そんで、手術が終わってから、後で役所に費用を請求するんじゃないですか? 出産のときみたいに」
「なるほどなー。いや、ちげーよ。きっと、身分証明書みたいのがあるんじゃねーか?」
「あ、そーか。そうかもしれませんね。んじゃ、その証明書を偽造してやれば、こんだ堂々と、女性専用車に乗れますね? がんばってください」
 
うん、激励の方向が違うよね。

*1:整骨院の若い主