吉田戦車のマンガの中に、「便所の神様」ってのが出てくるんです。
トイレに入ってるとビクビクしながら姿を現し、驚かさないようにうまく尻尾をつかむと、便秘も下痢もなくなり、生涯、快便に恵まれると言う、まさに神様の中の神様なんです。
ところが、便所の神様にはもう一種類いるようで。
どうやら俺は、こっちの神様に好かれていると言うか、嫌われていると言うか、とにかく魅入られているようなんです。その神様ってのが、トイレットペーパーの神でして。間違っても「神」を「シン」と読まないように。
つーかね、とにかく俺がトイレに入ると、紙を交換する確率が高いんですよ。マーフィー理論とかじゃ説明できないくらい。おかげで最近は、相当珍しいタイプのホルダーでも、瞬時に紙を交換できる技術が身につきました。
ホント、心から要らない手に職。
んで、今日も朝一番の患者さんが、ホルダにはめるのがメンドウだったらしく、ロールの芯を残したまま、予備を使ってたんですね。その後に入った俺は軽やかに、いっそ涼しげな動作でロールを交換したあと、出てからまこと*1に愚痴ります。
「んだよ、まーた俺がペーパー交換だよ」
「なはは。もう、あきらめたほうが良いんじゃないですか」
「ヤだよ。でもさ、なんで俺ばっかペーパー交換する羽目になるんだろうな」
「んなの、当たり前じゃないですか。
先生が一番トイレに入ってるからですよ。飲みすぎでオナカ壊して」
あー。
