笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

耳はふたつでクチはひとつ

患者さんのおば様が二人、なにやら話し込んでます。
「私の行ってるお店はねー、○○が○○ですごくいいのよー」
「あらそう。私の行ってるところはねー」
なにやら一見、情報交換をしているようですが、よく聞くと、お互いに自分の行ってるお店の説明つーか自慢をしてるだけに過ぎない。相手の話なんざ、これっぱかしも聞いちゃいません。
整骨院ではわりとよくある風景なんですが、ふと、思いまして。
最初から自分の意見に凝り固まってると、こうやってヒトの話をきちんと聞けなくなるんだなぁって。ヒトが熱心に話す以上、きっとそれなりにイイトコロなり、興味深いところなり、役立つ部分はあるはずでしょう?
でも、ハナから相手の話を半分で、場合によってはアタマからバカにして聞いていたのでは、耳に入っても頭に入るわけがありません。それで自慢話だけしてたら、それは見栄を張ってるだけと受け取られても仕方ない。
見栄の張り合いなんて、不毛なだけでしょう?
それで感心してもらったって、それが何かの役に立つわけじゃないし。しかも、たいていの場合は感心されるより、「見栄っ張りだなぁ」と言う、負の印象を持たれるに過ぎないわけだし。
だったら、誰のどんな言葉だって、とりあえずは真摯に聞いて、自分の中でよく消化し、そのあとで正誤、善悪、その他もろもろの判断を下せばいいと思うんですよ。
とまあ、えらそうに言ってる俺にだって、もちろんそういう面が少なからずあるわけで。だからこそ、彼女らの話を聞きながら、ああ、見栄を張るより貪欲に知識を吸収したほうが、ずっと建設的だなぁって実感したのでした。
だって……
 
 
 
 
ふたりが話してるの、同じ店のコトなんだもん
 
結局、ふたりとも最後まで気づかないんでやんの。