笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

どうせなら、腕のいいメカニック

「先生よぉ、愛人の二、三人いるんだろう?」
 
いきなりな質問をしてきたのは、患者さんのIさん。おしゃれな、まさにどっかの雑誌の『チョイ悪オヤジ』みたいなヒトです。カッコや顔はオトコマエですが、中身はちと俗物っぽい感じ。
 
「万が一いたとしても、ココでYesとは言いかねますが」
「わはっは、そうだよなぁ。俺はさ、今、ふたり囲ってるんだよ」
「ははぁ、それはそれは。つーか、ものすげえナチュラルに『俺に愛人がたくさんいる前提』で話してますけど、いませんからね?」
「またまたぁ」
「ホントですよ。そんな金あったら、単車に突っ込みます。それか、呑む」
「ホントかい? まあ、でも先生は単車キチガイだからなぁ。もったいないねぇ。なんなら、俺が紹介してやろうか?」
「要りませんよ。金食い虫は単車だけで間に合ってます」
「遠慮するなよ、紹介してやるよ」
「いいですってば。つーか、Iさん、なんでそんなに強引に勧めるんです? あ、わかったっ! 今の彼女の一人を、俺に押し付けようって魂胆じゃないんですか?」
「…………」
 
黙るなコラ。