笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

アサッテまごころ

昼寝した起きたら、やたら目が乾いてたんですよ。
そこへ持ってきて、昨日初診で診た、ちょっと厄介な(人格じゃなくて症状が)患者さんがやってきたので、『おっしゃ』と気合を入れて仕事始めたんです。
起きぬけの水を飲まなかったせいで、治療中にコンタクトレンズが外れちゃったんですよ。でも、使い捨てだし、スペアレンズは持ってきてるから大丈夫。
なんて思って治療を終えてから、メディスンバッグの中を探りますってーと、オーマイガッ、今日に限ってスペアレンズを忘れてきてるじゃねーですか。しかも、メガネも持ってきてない。
こりゃ困ったなぁとぼやいていたら、まこと*1が、ニコニコしながら
 
「ちょっと待っててくださいね」
「あ? なにが?」
「いいから、いいから」
 
しばらくすると『はい』って嬉しそうに笑いながら、手を差し出します。
 
 
 
 

 
「これはなんだ?」
コンタクトレンズです。ボクチンが作りました」
「あーそーかありがとう(棒読み)。ひとつ聞いてもいいか?」
「なんですか?」
「俺には、どう見てもコピー用紙とバイクパーツの入ってたプラスティックを丸く切り取っただけにしか見えないんだが、これは何かの間違いだろうか?」
「カラーコンタクトです」
「まず、俺の目を見て話せ」
「白とピンクのカラーはいいんですけど、残念ながら透明じゃないんですよね。いやー、ボクチンにはそれが限界でした。すいません」
謝りどころが違うと思ったりしないか?」
「でも、透明のヤツは完璧ですよね?」
「答えたくないがあえて言うなら、まずまっ平らの板なうえに、ふちがギザギザだ。お前はまさか、これを目に入れろと言うんじゃないだろうな?」
「そうですか。残念だなぁ。先生のためにがんばったのに」
「落ち込んで見せてもこんなもん、目に入れるやつはいない」
「透明のやつはよかったのになぁ」
「いくねーっつの。ま、ジョークとしては面白かった。どうせおめーは、『ジョークじゃなくて本気だった』とか言うンだろうけどな」
「いや、ジョークですよ。本気だったら絶対レーシック手術やりますもん、俺。アルコール消毒とカッターで。あ、大丈夫です。カッターは新しいの使いますから。」
 
そんなERごっこには付き合いませんよ、まこと先生。
 
結局、片目で単車に乗って帰りました。

*1:整骨院の若い衆