笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

クライム・ザ・ウォール

半日仕事だったので、二回目のボルダリングに行って来ました。
平日の昼間はさすがに空いてて、俺のほかに大人ふたり子供ふたりしか居ませんので、のびのびと登って来られました。
最初はこの間の課題に挑戦しようと思ったのですが、前回の課題がある100度の壁には、おじいちゃんと孫ふたりが先に居たので、奥にあるスラブ(壁面角度が90度以下の壁)で、同じ6級に挑戦します。
 
スラブは、今までやってた100度に比べると、オーバーハングしていない分、足に体重がかけやすくて比較的楽でした。もっとも、その代わりに手がかりになるホールドが、滑らかだったり小さかったり掴むのが大変なので、あくまで『比較的』ですが。
 
とにかく今回は先生も連れも居ないので、すべてひとりで考えなくてはなりません。
ド初心者なりに、教わったことや経験を思い出して、頭の中で登り方を組み立ててゆきます。ところが、いざ登りだしてみると考えたことが飛んでしまったり、目のまえにあるホールドが見つけられなかったり、なかなか上手くゆきません。
ただ、スラブは足に体重がかけやすいので、腕や指の疲れが溜まりづらく、何度も挑戦できます。
 
大汗かきながら一時間くらいかけて、6級をふたつと5級をひとつクリアしました。
先生が通りがかったので、もう一度クリアするところを見てもらい、アドバイスをいただきます。
「ヒトのやったのを見てクリアするより、自分で考えてやる方が難しいし身になるんですよ。この課題はあそこの身体の使い方がポイントなんですが、よく自分で見つけましたね」
ちょっと褒められてご満悦の、実に単純なかみさん42歳。
 
そこでちょうど100度の壁があいたので、いよいよ前回クリアできなかった6級の課題へ挑戦します。「まあ、ほかの6級はふたつやれたし、5級もクリアできたから、きっとこれもクリアできるだろう」そう思いながらスタートのホールドへ両手を置き。
左足から登り始めた瞬間、違和感を感じます。
オーバーハングになってるため、今までよりずっと指や腕に負担がかかるのです。
「うお、こんなキツかったっけ?」
気を引き締めて、登りはじめました。
 
スラブで考えながらクリアしたのはムダじゃなかったようでした。
同じ動作でも、前より何気なく出来ます。
上手い人ほど、ひとつひとつの動作が滑らかでムダがなく、見てるとものすごく簡単そうに登ってゆきます。そこから考えますと、この課題の一番キモのところへたどり着くまでの過程がスムーズになったと言うことは、前回より向上してる証左です。
「ニョホホ、少しづつ上手くなってるじゃん、俺」
気分よく登ってゆくと、しかし、やはりキモのところで失敗しました。
体重移動がうまく行きません。
何度か挑戦しているうち、ついにホールドが握れなくなりました。
 
そこで時計を見ると、始めてからジャスト二時間。
明日の仕事も考えますと、このへんが限界のようです。
前回よりも確実に一歩前進しましたから、今日はここまでにしておきましょう。
 
先生にアイサツしてジムを出た俺は。
ぷるぷるする腕でクラッチを握るのに難儀しながら、全身を使った疲れを心地よく感じつつ。
家に向かって走り出しました。
 
つわけで、この日記を書き上げたら。
晩ごはんの用意をしながら、通販でクライミングシューズを物色しようと思います。
いつか自然石を登るその日を夢見ながら。