チェーンの着荷が遅れ、へそ曲げ気味のかみさん44歳。
今週末は、バイクで走りに行きたかったのになぁ。
とは言っても、晴天の日曜日にいつまでフテてもいられない。
ナオミさんが洗車すると言い出したのを機に。
自転車でポタリングへ出かける。
表の道から行くと、クルマが混んでて危ないので。
裏道を通って坂を下り、手賀沼の方を目指して走る。
出てすぐ、柏ふるさと公園で、写真を一枚。
このまんま公園内を通ってゆけば、サイクリングロードへ出る。
だが、子供たちや家族連れが多いので、ちょっと避けたい。
と、通りがかりに、上へ登る階段があった。
「こんなん、あったんか。気づかなかったな」
せっかくなので、チャリを担(かつ)いで登ってみた。
階段の途中で、かなり後悔した(´・ω・`)
早くも息を荒げながら、手賀沼サイクリングロードへ。
今日は、いつもと反対側へ向かってみよう。
地図で見た感じだと、ほとんどすぐ手賀沼が終わってしまうはず。
そしたら対岸へ渡って、のんびり戻ってこようか。
大体のプランが立ったので、ペダルを漕ぎ出すマイトガイ。
天気はよく、太陽も照っているが、風はさすがに涼しい。
「もう、秋なんだなぁ」と実感しながら、ゆっくりとクランキング。
程なく道が細くなり、行き止まりのように見える。
近づいてゆくと、階段とスロープが見えた。
自転車を押して降り、橋の下をくぐって進むと。
今度は登り。
なんだか今日は、階段に縁があるなぁと思いながら。
涼しい風に吹かれて、自転車を飛ばす。
「いやぁ気持ちいいや。出てきて正解だね」
通りがかりのヒトに挨拶しながら、ニコニコと独り言ちる。
やがて、道の舗装が「あやしく」なり、ところどころ切れ始める。
狭いところで、前を行くおじさんやおばさんに追いついてしまい。
ママチャリの後ろへ、行儀よく並んで走る。
イラつくこともなく、景色の眺めてのんびりと。
道が少し広くなったところで、驚かさないよう、声をかけながら抜く。
向こうも気分がいいのだろう、優しい声を返してくれる。
川のそばを走るのは、何でだろう、バイクでもチャリでも気持ちいい。
と、のんきにしてたら、ついに舗装が尽きた。
せまっ苦しい、ほとんど獣道みたいなダート。
ここはバイク(モータサイクル)通行禁止なので。
この轍(わだち)は、ひととチャリンコが作ったものだ。
「マウンテンバイク(ルック)車に持って来いの道だな」
すっかり機嫌のよくなったかみさん、はしゃいだ歓声を上げる。
ケツを上げ、ダンシング(立ちこぎ)しながら、ダートをすっ飛ばし。
フロントやリアが暴れるたびに、げらっげら笑う。
いよいよ、土や砂利さえ見えなくなってきた。
一度降りて、ちょっとだけ空気を抜き、荒地へ備える。
それからまた、大ハシャギでダンシング。
と、一度、土の見える道へ出た……のだが。
「キャンバー(傾斜)ルートに金網」とは、「やらかせ」と言わんばかり。
こんな傾斜でも、調子に乗ってこぐと、ケツが流れて右下へと落ちる。
落ちても大怪我はしないだろうが、地味に痛そうだ。
装備もTシャツとサイクルパンツだし。
道幅がないから降りて押せないので、慎重にキャンバーを抜ける。
今日、いちばん緊張したルートだった。
おかげで、キャンバーを抜けたら、かなりテンションがあがってくる。
俺のテンションに呼応して、道の方もホンゴシ入ってきた。
雑草の高さが自転車を超え、足元は一切見えない。
もし、下に溝や穴があったら、一発で転倒だ。
ただ、「誰かの通ったあと」が、かろうじて見える。
「誰かが通ってる、ってことは、通れるってことだ」
と、冷静に考えたらそうでもないことをつぶやきながら。
草が踏み分けられた道なき道を、元気にこいでゆく。
と、思いのほか下が荒れてて、結構ハンドルを取られた。
さっき、エアを抜いておいてよかった。
「うおー、冒険チックじゃん、楽しいなぁ!」
満面の笑みで騒ぐ姿は、ほとんど不審者イーシャンテン。
ヒトがいないのをいいことに、声を出して笑いながら。
目を離したら見逃しそうな、雑草の隙間を抜けてゆく。
が、それもついに終わるときが来た。
完ぺきに、先が見えなくなる。
こうなってしまうと、選択肢は二つだけ。
「行く」か「戻る」か。
時間(時刻)的には行ってもいいんだが。
先をチェックしながら進むのは、正直、めんどくさい。
それこそまさに「冒険」なんだが、俺はエセ冒険者なので、戻ることにする。
戻って橋を渡り、対岸へ出た。
反対側は舗装されているので、そのまま行ける所まで。
ちなみに写真の対岸が、さっき冒険してた場所。
こうやって外から見ると、「何てことない場所」なんだけどね。
舗装路を、他のチャリに抜かれたり、抜いたりしながら。
帰宅途中の「女子中学生の嬌声」をBGMに。
心地よい風に吹かれて、のんびりと走ってゆく。
やがて、完全に道が尽きた。
対岸も護岸工事の真っ最中で、どうやら先には行けなそう。
それじゃあ仕方ない、戻ろうか。
来た道を戻り、さっき渡った橋のところまで。
ここから先は、来た道の対岸を走ることになる。
ここもまだ未踏なので、舗装路でもわくわくしてくる。
とは言え、チャリでもバイクでも、最近の俺はオフ寄り。
すかっと広い舗装路もいいけど、やっぱりダートが好きだな。
対岸のサイクリングロードを、くるくるペダリングしながら。
木々を眺め、川を眺め、空を見あげる。
今日は本当に、気持ちがいいや。
本日も晴天なり(ⓒTKさん)
走ってると、ふと目に入った光景に、思わず立ち止まる。
川の近くまで行って、自転車を降りた。
土手の斜面にずらっと、彼岸花が生え(植えられ?)ていたのだ。
しばらく花を眺めてから、さらに先へと進む。
やがて道が尽きた……と思ったら、脇にせまい獣道がある。
当然、そっちへ向かって入り込んで行くマイトガイ。
しばらく走ったところで、完全に行き止まり。
仕方ないので、写真を撮ってから引き返す。
これが入り込んできた獣道。
素直に来れた道だから、戻るときはもちろんダンシング。
がんがん踏んで、あっという間に獣道を抜け。
見慣れたサイクリングロードへ出た。
北柏ふるさと公園に入って、ちょっと休憩。
タバコは持ってきてないので、代わりの作業をしよう。
往路でダートを走るときに抜いたエアを、ここで足してやった。
弟にもらったハンドポンプで、しこしこと空気をいれる。
沼のほとりでは、白鳥が数羽、のんびりと毛づくろい(?)してた。
白鳥を見ながら、ひたすらポンプを動かし。
リアがいっぱいになったら、今度はフロント。
前後のタイアがパンパンになったところで、また、走り出す。
とは言え、あとは帰るだけ。
ってのも味気ないので、公園の中へ少し寄り道してみる。
前回は満開だった花々が、すっかり枯れていた。
あらためて、秋を感じつつ。
でも、デコボコがあったら歓声を上げて突っ込んでゆき。
サスペンションがぴよぴよと間抜けな声を上げる。
公園の入り口んとこ。
往路で自転車を担いで登った階段を通らず、こっちを来れば楽だった。
だけどまあ、知ってる道ばっかり選んじゃっても、面白くないしね。
エセ冒険者のプチ冒険くらいが、俺にはちょうどいい(・∀・)
あえて入り口の傾斜(上の写真のところ)は使わず、下へ降りてゆき。
短いけれど激坂ちっくな急勾配を、気合で登る。
気分は野々村輝(シャカリキ)か、あるいは小野田坂道(弱虫ペダル)。
つわけで、無理やり笑顔で登ってみたけど……ぜんぜん楽しくない。
やっぱクライマーってのは変態なんだね(`・ω・´)
まっすぐ帰ることを、「俺の本能的な何か」が拒否するので。
ここまで家に近くなってから、あえて、さらに寄り道を慣行。
まだよくわかってない、近所(のはず)の道を駆け上り駆け下る。
柏人にはおなじみの名店、「竹やぶ」の前でパチリ。
名前は何度も聞いたことあるけど、そういえばちゃんと食ったことない。
もっとも、俺に向いてる店とも思えないから、行くこともないだろう。
ただ、古い武家屋敷みたいな店構えは、さすがに荘厳。
その「竹やぶ」の隣にある、公園みたいなところへも行ってみた。
自転車に乗るようになってから、「かみはちょっとだけ歩く」。
公園というには、つつましすぎる休憩スペースだった。
夏の暑い時期や、今時期でも昼間なら、涼しい風が気持ちいいだろう。
今度、ガソリンストーブ持ってきて、料理でもしてみようかしら。
「竹やぶ」の横で、あえてソバを食うとか(・∀・)
てなわけで、今日のポタリングはコレで終わり。
往復20キロ程度、一時間半くらいの短い間だったけど。
ダートやケモっぽいトコも走れた、楽しい散歩だった。
なにより、走ってるときの爽快感が最高だったよ。
すぐ飽きちゃうかと思った自転車だけど。
バイクや小説とおなじく、マイペースで続けていけそうだ。
さて、あとはゆっくり呑みながら、今日の走りを反芻しようか。
そんな感じで(・∀・)
日曜日のお散歩/了