いきなり、まこと*1が言うんです。
「やー、また職質（職務質問）されちゃいましたよー」
「あんだおめ、また職質って。ホント、ちゃんとしろよな？ 信用商売なのに、おめーがイチバン営業妨害だよ。ブルータスおまえもか、だ。つーか、俺と浅草行ったときから、何回されてるんだ？」
「あー、先生と同じくらいじゃないですか？ かれこれ……５回かな？」
「ざけろ、俺はあれ以来、一回もされてねーっつの」
「またまたぁ、俺がこれだけされてるんだから、先生はもっとされてるに決まってますよ。もう、間違いなく」
「勝手に確信すんな。されねーよ。柏歩いてても、されたことねー」
「柏駅周辺なんて、職質なんかやってませんよ、キリがない。ただでさえ、警官の数が足りないんですから」
「いや、そーでなくて。どこ行ったってされねーよ。おめーのナリがチンピラフレーバーだからだべ？」
「さわやか青年捕まえて、なに言ってんスか」
「ほほう、最近のさわやか青年は、アロハにグラサンなのか？ つーかさ、こないだもN（ダチ：本職に見えるけど堅気）と一緒に歩いてたけど、何も言われなかったぞ？」
「あー、そりゃそうですよ。彼らだって仕事ですからね。安全で効率のいい方を選ぶに決まってるじゃないですか。100歩譲って俺がチンピラなら、先生とNさんは完全、ホンモノですもん」
「人聞きの悪いコト言うな。Nはともかく、俺は普通だ」
「いや、たとえYさん（本当のホンモノ）と並んでても、Nさんと先生でワンツーフィニッシュですよ。三位以下ぶっちぎり」
そんなポールポジションは要らない。
