笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

ブラックマーケット

誰かに必要のないものが、誰かには必要だったりします。
そして需要と供給の条件がそろった時、取引が成立します。大雑把に言えば、この世のすべてはそう言う取引で成り立ってるわけですが、特に実感しやすいといえば、やはりオークションなんかでしょうか。
ところが、世の中には公に出来ない取引もありまして。
そう言ういわゆる闇取引は、人気(ひとけ)のないところで行われるかというと、さにあらず。まさかこんなところでこんなものが!的な方が、官憲のウラをつくことが出来たりして。
そう言う意味では、整骨院というのも、なかなか裏取引ムキな場所です。
おじいちゃんおばあちゃんが多くて、基本的に明るくて、昼間しかやってないわけですから、そんな場所でまさか闇取引が行われているとは、誰も思わないでしょう。
 
ンで、今日のこと。
ウチの若い衆まことと、患者さんの高校生が、こともあろうに整骨院で闇取引を行っていたのです。どうやらモノは高校生が持ってきて、それをまことが買い付けているようです。
俺は悩みました。
かわいい後輩のまことと、高校生の男の子。どちらも、人生はまだまだこれからです。その若い可能性を摘むことが、果たして正しいのか? ここで彼らを告発することが、彼らのためになるのか?
しかし、俺の中に流れる正義の血が、それを看過することを許してはくれないのです。俺は涙を呑んで、取引の証拠写真を収めました。
 
 
 
 
 
 
 
 

 
今では入手困難な、ベイブレードのカスタマイズグリップを取引する、若者ふたり。そりゃ、現在高校生といえば、ベイブレード流行当時はバリバリの現役小学生。
色んなアイテムを持ってて、しかも、今は必要ないわけです。
一方、いまさらベイブレイドにハマっている馬鹿な大人ふたり。ここに需要と供給の完全なる一致を見たわけでして。ただでくれるつーのに、一個1000円で買取。
 
もちろん、俺も嬉々として参加しました。