手が空いたんで、まこと*1とダベってまして。
「最近、俺の周りの先輩たちが、野菜を食うんですよ」
「イキナリなに言ってるんだおまえわ」
「いや、焼肉とか行くじゃないですか。そしたら今までは俺と一緒に『カルビオンリー10人前』とか食い続けてたはずの先輩が、野菜を頼んで食ってるんですよ」
「まあ、おまえ自体、そろそろいいお歳だし、だんだんそうなっていくだろうな。俺も最近、喰う量的には内臓のほうが多いかも知れん。いや、カルビも好きだけどさ」
「やっぱ、脂とか食えなくなってくるんですかねぇ」
「脂だけじゃなくて、量もだな。俺、ラーメン大盛にしなくなったし」
「あ……」
「どうした？」
「俺もだ。ライスは喰うけど、大盛にしてない」
「うむ、そう言うことだ。兆（きざ）しはすでに現れているのだ」
「なに預言者風に語ってるんですか。うわー、でもやばいなぁ」
「別にヤバかない。そう言うもんだろ。つーかね、イチバン驚くのは喰えなくなったこととか、呑めなくなったことじゃないね」
「なんすか？」
「うむ。その状況を心静かに受け入れちゃってる心境にびっくりだ。前なら『ガンガン喰ってガンガン飲むのが俺』的な思いがあったんだけど、最近、ふつうにさっぱりテイストを求めてるからな」
「ははぁ、なかなか切ないものがありますね」
「切ない言うな。成長したんだよ」
「おと……うっ」
「どした？」
「衰えたんでしょうって言おうとして、
人のコト言えないってことに気づいた」
ようこそ、こっち側へ。
