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妻が妊娠した時。
すでに狂気は心の奥底で息を潜めていたのかもしれない。
愛する女の愛情を、自分から奪う者への、それは嫉妬だったのだろうか。
精神は腐り、饐(す)えた悪臭を放つ。
生まれてきた子供に、一ミリグラムの愛情も感じなかった。
その子が風邪をひいたとき。
心配するより先に、最高のチャンスが訪れたと感じた。
彼は風邪薬のかわりに、別のものを手にした。
彼は決してあわててなどいなかった。