患者さんのIさん。
70過ぎた女性なんですが、すごく元気で俺より健脚なほど。
おばあちゃんなんてとても呼べないシャキッとした方でして。
息子さん夫婦と離れて、独り暮らしをしてらっしゃいます。
「独りだとさぁ、背中に手が届かないのが困るんだよね」
「ほう、孫の手とかじゃダメなの?」
「背中に軟膏を塗るのができなくて」
「ああ、なるほど。でも、俺はそれ手伝ってやれないしなぁ」
「若いツバメと思われたら困るしねぇ」
「あははは! 背中に軟膏ぬる専門の愛人かい?」
なんてバカ話してるうち、ふと、思いついちゃったかみさん。
「あ、待って。もしかしたら、そんな道具が売ってるかもしれない」
「あはは、まさかぁ」
「いや、独りで背中にシップ貼る装置だって売ってる時代だからね」
「ああ、そういえばそんなの売ってるねぇ。でも、軟膏だよ?」
ケータイで検索してみますってーと、普通に売ってました。
その名も「ひとりでらくらく軟膏ぬり」つー、まんまの商品が。
Iさんはネット環境がないので、代わりに俺が購入します。
それが今日、着荷しました。
なんのひねりもないネーミングですが、判りやすくていいのかな。
こんな風に使うようです。
面白いなぁと思う反面。
コレの需要があるってことが、ちょっとさびしい気もしました。