笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

トラブル臭

noreturnrydeen2004-07-15

中学生の男の子が、整骨院にやってきました。
サッカーやってて、怪我をしたんですな。んで、その子の順番はまだで、別の患者さんを治療してました。


と。
茶髪の高校生くらいの男の子が、表にやってきまして。すだれ越しになんとなく、彼の姿を見てたわけです。すると、彼は自転車に乗ってさーっといなくなってしまいました。


あれ?
あの自転車……


なんとなく違和感を感じて、中学生の男の子に聞きます。


「なあ、○○。おめ、チャリ乗ってこなかったっけ?」
「乗ってきました」
「あれ? 表にあったの、おめーのだろ? 銀色のヤツ」
「はい」


事件は現場で起こってるんだ!


あわてて表に飛び出すも、もはや後の祭。思いっクソ目の前で窃盗犯を取り逃がしました。う〜ん、悔しい。とまあ、悔しがっててもしょうがないんで、110番に電話します。


「そうですか。わかりました。すぐに警官が行きます。○○整骨院の先生ですね?」
「そうです。よろしくお願いします」


俺は警察が嫌いです。特に自分にかかわる分には大嫌いです。が、こういう場合は好き嫌い言ってられません。一応社会人としてやるべきことはしておかないと。


数分後、院の電話がなります。


「○○整骨院さんですか? こちら松戸東警察署です。先ほどの件ですが、所轄の警官がちょうど他の事件にかかわってまして、20分ほど遅れますので、被害者の方にそこにいてもらってください」
「そうですか。ちょっと待ってください……(患者の男の子に聞く)ああ、大丈夫だそうです。待っててもらいますが、でも、出来るだけ早く来てあげてください」
「わかりました」


待つこと40分。
やる気のなさそうな警官がやってきました。


男の子を呼び出し、整骨院の前で事情聴取。仕方ないかもしれないけど、目の前には中学生の女の子がいっぱい通りますんで、男の子、なんだかかわいそうだな。なんて思いながら、治療をしてました。


すると警官がこちらに顔を出しまして。
犯人の特長とか、逃げた方向を聞きます。ただでさえ警察嫌いなところに持ってきて、20分のところを40分待たされてるんで、俺の語気も少々荒い。ま、待ったのは男の子ですが。


「さすがにもう、逃げてるでしょう? 二、三分で来るならともかく」
少々いやみをかましますと、警官、いやな顔をしてそれきり話をしません。こっちも患者さんがたくさん待ってるんで、あんまり絡んでるわけにも行かず、迅速に事情を説明。なんだかんだで、事情聴取も終わりました。


仕事も終わり、今日来た患者さんをPCに打ち込んでいると、俺の携帯がなります。おや、メールだ。なんだ、まこと(整骨院の若い衆)だ。メールを開きますってぇと。


「先生、大丈夫ですか? なんかヘンな予感がしたんで、確認です」


 


犬並だなオマエの嗅覚は。


トラブル大好きまことらしいメールです。このくらい勘がいいなら、きっと国家試験もトップ合格でしょう。優しい上司の俺は、すかさず慈愛に満ちた返事を返します。ああ、なんて美しい師弟愛。


整骨院に警察が来た。詳しくは明日」


アイツ、今晩、夜中に俺のところ来るよ、きっと。