ここんとこ、ディスカバリチャンネルつードキュメントばかりを扱うチャンネルの番組を見まくっているんです。
特に、軍事モノ。
別に、戦争好きなんじゃなくて、最新技術の粋を集めた機械が、いっぱい見られるから。
全長32メータ、一個小隊80人を乗せて飛べるヘリコプタ。
おもちゃのラジコンみたいな無人偵察機。
ホバリングして市街地を偵察できる小型の円盤。
ステルス爆撃機、ステルス船、最新の戦車、CCDカメラつきのアサルトライフルなど、俺みたいな半分ガキは、心をがっちりキャッチされまくりですよ。
で、見てるうちに、ふと思ったんですがね。
インタヴューを受けてる兵士とか士官がね、口をそろえて言うんですよ。
「われわれだって、戦争をしたいわけじゃない。優秀な兵器が抑止力になって、戦争をしないで済むなら、それが一番いい」
って。
ま、そりゃそうなんですがね。
なんか、違和感がぬぐえない。
近頃の戦争で、一番肝心なことって知ってます？
「味方を殺させない」「捕虜を減らす」
この二つなんだそうです。前者は保障の、後者は政治的な問題なんですね。
兵隊が一人死ぬと、その残された家族への保障がハンパじゃないから、兵士がなるべく死なないように、一人一人にすごいハイテクの武装をさせるんです。さらに究極は、人間の乗らなくていい戦闘機、偵察機、爆撃機、戦車、そういう無人機で戦争をするんだとか。
捕虜もまた厄介で、正直、どちらの陣営にも重要性の少ない兵士一人でも「命は地球より重たい」から、「人道的見地」から、ほかの多大な犠牲を払って助ける、もしくは敵陣に返す、ってことをしなくちゃならない。
つまり、今の戦争ってのは、建前が大事なんですよ。
殺し合いをしてるのに、人道を叫ばなきゃならない。
本当にその人の命を大事に考えてるんじゃなくて、そこをないがしろにすると、世論がうるさい、ひいては（後ろにいる偉いさんの）人気、政治生命、そのほかが危うくなるから。
ばかばかしいのは、多分、やってる本人たちが一番感じてるんでしょうね。
そのうち、両陣営とも、無人機とロボットで戦争するようになるんでしょう。
いっそ、でっかい空き地を用意して、そこで両陣営、ハイテクの限りを尽くした、無人の戦争をすりゃいい。ハンパなゲームじゃ、国家の威信を賭けるのが気に入らないなら、徹底的にルールのない、無尽の戦争で片をつければいいンじゃねーかな？
ハイテク兵器の一番の枷（かせ）は人間。
人間が乗らなくていいなら、コストを下げて、性能を上げるのは、簡単なこと。
その上、人間は殺すと後がめんどくさい。
だったら、ハナから人間なしでヤりあえばいいじゃん。
いや、この論の穴は、俺が一番わかってるから、突っ込みは要りません。別に、その後の敵地制圧には、戦車や人間の兵士が……とか言った論を戦わせたいわけじゃないんで。
だいたい俺だって、ケンカのケリをゲームでつけたいとは思わないしね。
ただ、俺はそれで警察に捕まって、臭い飯を食うリスクをしょってるけど、世の中にはリスクをしょわないで旨い結果だけ求める輩が居て、それがちっとばかり気に食わないってだけの話です。
戦争を肯定すると、特に日本では、脊髄反射で眦（まなじり）を上げるヒトが多いけど、誰かを守るために戦うとか、自分を守るために戦おうとか、もっと言ってしまえば、ただ、気に入らないから戦うってんだって、俺はアリだと思ってます。
気に入らないのは、誰かの利益のために、ほかの人間が戦うって言う、その一点。
俺だって自分のケンカに、誰かの手は借りないんだから、気に入らないとか理由は何でもいいけど、ヤリあいたいなら、てめえの手でやれよって、要はそれだけです。ヤリあいたいヤツラが、どんだけ悲惨なケンカしようが戦争しようが、それは自分の勝手だからね。
俺的には、人道もクソもない。
ケンカしたいなら、やってりゃいい。
で、今まではこういうよくある論に対して、現実味がなかったわけだけだけど、ハイテク兵器の自立性と高性能を見ると、あながち無茶な話でもなくなってきたなぁって、思うんですよ。
どこでもいいから戦場を決めて、そこでハイテクマシン同士で戦争する。
駒はすべて機械。
王将だけが人間、それも最高責任者ね。
リアル将棋ってなモンで。
命を賭けて戦ってきた指導者なら、話に説得力もある。
その指導者がいやなら、新しい指導者が出ればいいんだ。
「命がけで国民を守る肝っ玉のある」指導者になら、誰でもついていくんだから。
ま、『指導者のなり手が居なくなる』って可能性はありますが。
あと、俺はどれだけ技術が進んでも、自分のケンカは自分でやります。
ガッツがない男ほど、価値のないものもないですからね。
そのガッツの方向性はともかく(笑
