笑ってる?

創作サイト【神々】の日記

婆、アフタヌーンパニック

ちょっとづつ夜が暖かくなってきました。
帰り際、単車にまたがるたびに、そわそわとどこかへ走りに行きたくなる、さすらいの鼻水ヤロウかみですこんばんは。花粉症の人間には、確定申告の〆切を一ヶ月遅くしてあげていいと思う。
 
こないだ髪を切ったわけですが、今頃になって
「あら先生、髪の毛さっぱりしたわねぐへへへ」
「おや先生、失恋でもしたのかいがはははh」
とか、髪切ったのは先々週ですがな的ツッコミさえしたくなくなるほど脱力な毎日を送っております。
それでも気づくだけおじさんおばさん達はマシな方で、じーさんばーちゃんらに至っては髪を切ったどころか、そもそも俺の髪の毛が長かったことさえ覚えちゃ居ないわけで。
それはまあ、一抹の寂しさを感じつつも鬱陶しくなくていいんですが。
昼休みに買い物に行って、患者のばーちゃんに会いまして。
 
「こんちわ、○○さん。夕飯の買い物?」
「……?……」
「ち、わかってねーな? 俺だよ俺」
 
もう、オレオレ詐欺に間違いないぞこのオトコくらいの勢いで、不審な視線を向けるばーちゃん。周りに居るヒトも、何だ?って顔で見てますから、このまま不審人物で終わるわけには行きません。
交番近いし。
 
「やだなーもー。俺だよ、整骨院の」
「…………あー! 先生!」
「あーよかった。つーか早く気づいてよ。俺、まるで不審人物じゃん」
「あーごめんねー」
「ま、いーけどさ。午後来るの?」
「うん、いくよー」
「わかった。じゃーねー」
 
なんて言いつつ別れてから思ったんですが。
 
真っ昼間。
革ジャン、革パン、ピアスジャラジャラ。
ザク切りアタマにでかい単車。
安売りのティッシュペーパー抱えて、ご近所スーパー入り口の灰皿の前でタバコくわえたまま、ばあちゃん呼び止めて「俺だ俺」。
 
不審人物で間違ってないじゃん。
ごめんね、ばーちゃん。